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アトピー性皮膚炎追及#8かゆみからの追求

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8 かゆみからの追求

(1)アトピー性皮膚炎の患者の特徴

●かゆみ

「かゆみは弱い痛みである。」というのがこれまでの定説だった。皮膚の細胞が作る「ヒスタミン」がかゆみのもとです。しかし、アトピー性皮膚炎の患者に「抗ヒスタミン薬」を使用してもあまり効果がない。

●アトピー素因

アトピー性皮膚炎の患者の多くはアトピー素因を持っている。

①アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎に罹ったことがある、または家族に罹った人がいる。
②IgE抗体(アレルゲンと結合してアレルギー反応を引き起こす物質)が作られやすい体質。

(2)新しいかゆみ物質の発見

2004年に「インターロイキン31(IL-31)」という物質が見つかっている。アトピー性皮膚炎のかゆみを引き起こす物質とされている。IL-31は、免疫細胞の中でも司令塔的存在の「ヘルパーT細胞」が作り出す。

2017年1月に日本の研究者がIL-31を産生するヘルパーT細胞にGoサインを出すタンパク質を特定したそうだ。「EPAS1(イーパスワン)」というタンパク質だ。

*EPAS1は、ARNT(低酸素誘導因子の一つで、HIF-1βとしても知られる。体に酸素が不足すると作られるタンパク質)という分子と協調して作用し、酸素の少ない環境では、体を適応させるために血管や心臓の働きを高めることが知られている。

分かりやすいように箇条書きにする。

・タンパク質のEPAS1ヘルパーT細胞の細胞質にある

DOCK8という遺伝子を持たない人が重症のアトピーを発症することが分かってきている。

EPAS1は、本来酸素が不足する場合にARNT分子と強調して作用するが、DOCK8遺伝子を持たない人のヘルパーT細胞の核に入り、SP1分子と協調して、IL-31を生産する。

IL-31は脊髄後根神経節にある受容体と結合することにより、脳がかゆみを認識することになる。

 原因不明の現代病であるアトピー性皮膚炎の原因となる作用はかなり究明されてきた。人間の体は複雑にバランスをとりその機能を高めているが、どこかでその機能が崩され、バランスが崩れるとバランスのネットワークを正常にするのは難しい。個別の原因物質が特定されているのでびっくりしたが、もっと多くのホルモンが発見され体のネットワークの解明が進むことを期待したい。薬は、このネットワークの解明が進まないと難しいかもしれない。例えば、EPAS1を阻害する薬を開発してもEPAS1の多彩な重要な働きすべてを阻害することになるからだ。しかし、見えてきたように思う。もう原因不明ではない。

参考:科学技術振興機構 掲載日:2017年3月3日
アトピー性皮膚炎の痒みスイッチ「EPAS1」タンパク質発見

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