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染色体の話とアンドロゲンシャワー

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染色体の話とアンドロゲンシャワー

男女が合体し、精子と卵子が結合して、命の源である受精卵が最初の細胞として誕生する。このとき、X+X染色体だと完全に女性となる。しかし、X+Y染色体が存在する場合は男性になるが、この段階では女性として成長する。15週目くらいでは、普通の会話では、「赤ちゃんは女か男かはまだ分からない。」と言うが、厳密には「まだ男になるかどうか分からない。」と言うべきなのだ。そして、16週目頃になると、「そろそろ病院で(エコー)調べてもらおうかな?」てことになる。

実は、妊娠6週~24週頃にかけて、妊娠している女性の身体から大量のテストステロン(アンドロゲンの一種=男性ホルモン)が分泌される時期があり、
この時期に胎児が母体経由でこの「大量のテストステロンに暴露する」ことをアンドロゲンシャワーを浴びると言う。
テストステロンは、アンドロゲンに属するステロイドホルモンで、男性ホルモンの一種。思春期以降の男性では睾丸からの分泌が顕著に増加し、男性的な身体の特徴が形作られる(二次性徴)。一般に30歳ごろから減少しはじめ、年1-2%の割合で減少する。テストステロンの減少は男性更年期と呼ばれるが、女性の更年期ほどには急激にホルモン分泌は変化せず、身体や精神に与える影響も個人差が大きい。ストレスなどで急激な減少を起こすと、男性更年期障害を起こす。テストステロンの減少率は個人差が大きく、70代になっても、30代の平均値に匹敵するテストステロン値を維持している男性も多い。20代から40代でテストステロンが低い場合は、2型糖尿病、メタボリック症候群のリスクが増大すると報告されている

Y染色体の先には「SRY遺伝子」があり、性決定遺伝子として男性化を開始するスイッチのような役割をする。アンドロゲンシャワーがこのスイッチを入れると、約8週目頃には精巣ができて、男性としての成長が始まる。歩みを大きく変える分岐点だ。脳は女性的特徴(ホルモン分泌の周期性)を失う。男性外生殖器の形成に関係するのは、5αリダクターゼにより代謝されたジヒドロテストステロン(DHT)によるもの。)

X染色体しか持たない胎児(女性)がテストステロンを浴びても、男性化が開始するスイッチがついていないため、男性化することはなく、女性として引き続き成長する。

何らかの事情で、Y染色体を持つ男児がアンドロゲンシャワーをうまく浴びられなかったり
「受精卵の異常で男性化スイッチのあるX染色体を持つ胎児がアンドロゲンシャワーを浴びる」ことがあると出生までにうまく「染色体どおりの生殖器」が形成されない半陰陽や「染色体上の性別と、本人の性自覚が違う(性同一性障害)」などの困ったことが起こる原因になるひとつと言われているようです。

はるか昔、X染色体とY染色体は同一であったが、いつからかX染色体からY染色体が分化していった。

Y染色体はいつごろ生まれ、どのような遺伝子が維持されてきたのだろうか。その問題のヒントになる研究が、スイスはローザンヌ大学のHenrik Kaessmann博士らによって行われた。この研究では、Y染色体特有の遺伝子が解析された。

彼らは、ヒトなど多くの哺乳類が属する真獣類、コアラやカンガルーの属する有袋類、カモノハシやハリモグラの属する単孔類といった哺乳類の3つの大きな分類群から15種と、比較対象としてニワトリの性染色体塩基配列を解析した。

そこでは作業量の短縮のためにY染色体特有な配列のみが解析されたが、それでも29500時間ものコンピューターによる解析が必要であった。この膨大な作業により、これまでで最大の雄染色体のデータベースが作成された。

そして解析の結果、真獣類と有袋類の性決定に必要な遺伝子SRYを特定し、それは約1億8000万年前にそれぞれの共通祖先内で現れていることが分かった。また単孔類では1億7500万年前にAMHYと呼ばれる遺伝子よってY染色体が現れたようだ。これらの遺伝子は精巣の発達に重要な役割を果たし、比較的同時期ではあるがそれぞれ独立して現れたようだ。

とんでもないことを調べたものだ。頭が下がる思いだ。

参考

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