Pocket

先月8月26日(2018年)、キューバ系ドイツ人がイラク人とシリア人に殺された事件が発端で、翌日に大規模なデモが発生した。場所は、ドイツ東部のケムニッツ。極右団体が追悼を呼びかけ、白人数千人が集まり、市の中心街を占拠し、「外国人を叩き出せ」「ドイツをドイツ人の手に」と叫び、行進。右手を高く掲げるあのナチス式の敬礼をし、メディアを襲い、ユダヤ系の店を襲った。このデモというより暴動は、1週間続いている。
最近は、欧州各国で移民排斥の動きがある。しかし、このドイツは欧州の経済と民主主義をけん引してきた。戦後、各国への謝罪と平和主義を徹底してきた。しかし、これからは違う方向へ向かうのか?
ケムニッツがある2017年の州政府調査では、外国人に対する嫌悪感を示す人が56%、ドイツ人が他の民族より優れているという人も15%いた。
2017年9月24日のドイツ連邦会議(下院)選挙で極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が初めて議席を獲得した。この政党は、EU離脱や難民・イスラムの排斥を訴えてきた。
少数政党乱立を避けるために、比例代表で5%以上の得票がないと議席が得られなかったので、これまで議席を獲得することができなかったが、この選挙で議席を得るほどに支持が増えている。
2018年9月12日付けの日本経済新聞(真相深層欄)に興味深い記事があった。「差別は旧東ドイツで深刻だ。まずはナチス、次に社会主義統一党(共産党)という独裁体制で住民は60年間も思考停止。多様性を尊ぶことはなかった。」戦後同じように歩んできたわけではないこの昔の東西の地域。西部の旧西ドイツの人々や政党・政治家がこの動きに迎合するようになることは避けてほしい。

今秋10月には南部のバイエルン州、来秋は旧東ドイツ3州で地方選があるという。このような勢力が勢いづき、万が一という事態にならないよう心から祈るほかない。目が離せない。